誤解を恐れずに言うと、この度の震災は文明論的に言うと、我々、現代人、とりわけ日本人に対する警鐘を飛び越えて天罰とでも言うべき災害だ。それは、被災地域に対すると言う意味ではなく、我々日本人全体に対するものと捉えたい。
日本固有の歴史・伝統・文化・国柄・精神をうち捨てて、ひたすらグローバル化という名のもとに新自由主義へとつき進み、人の心や、自然との調和、家族やコミュニティーの絆を壊し、ひたすら我欲の道を際限なく求めた日本人への大きすぎるメッセージなのかも知れない。先祖をないがしろにし、先人の英知に学ぶこともなく、近代科学を妄信し、人知を超えたものへの恐れを忘れた現代人に対する自然からの大きな一喝だ。
日本の古き良き風土を色濃く残す地域が被災したことは大いなる悲しい皮肉でもある。その大いなる恩恵を被る都会人は猛省し、その痛みを分かちあわねばならない。
権利と背中合わせにある義務をないがしろにし、国や公の概念を否定し、あるのは個人の自由・利益だけと言う歪んだ風潮は教育からももたらされた。国の安全保障なしに個人の生活はあり得ない事をまざまざと再認識させることとなった。
これらの事を謙虚にとらえ、猛省しなければ、犠牲者の皆さんの魂は浮かばれないし、申し訳がたたない。新しい価値観で日本を、世界を作り変えなければならないと強く感じるのです。
子ども達には家に閉じこもって携帯やゲームに興じるのではなく、是非、自然の中で土や植物に触れ、風を感じ、自然に耳を傾けてほしい。世界観、自然観、人生観までも変える大きな力になると信じている。
近代科学を妄信し、人知を超えたものへの恐れを忘れた現代人への警鐘は忘れてはならないし、無駄にしてはならない。これは、日本人のみならず全世界への警鐘でもある。
時が経つにつれ、記憶は薄れ、人間はつい傲慢になってゆく悲しい性を持つ生き物だ。老い先はそれほど永くは無いが、自分自身が忘れないように、また、まだ見ぬ未来の世代の為にも、記録し伝えよう。
被災者の皆さんには我々が共にあることを伝え、犠牲者の魂に許しを請うて合掌したい。